腰痛

お薬の話

腰痛の経験はありますか?
言葉のとおり、腰が痛むわけですが、痛みの場所や原因はさまざまです。
その腰痛の原因によって治療法も異なってきます。

腰痛の原因
腰痛にはおおまかに2つの原因があります。
腰椎に原因がある場合
 腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、
 癌の腰椎転移、細菌感染など
腰椎以外に原因がある場合
 消化器系、泌尿器系、婦人系などの病気、
 血管の病気、精神的ストレスなど
   
  上記にあてはまらず、多くの方が経験されているのが
急性腰痛症(ぎっくり腰)あるいは慢性腰痛症です。
これはX線検査などで映し出されず原因はまだよく分かっていません。
腰痛患者の約8割は検査をしても異常が見つからないこのタイプにあてはまると言われています。

 

写真::「ファイザー製薬疼痛.JP」より
治療法
原因②の場合は原因となる病気の治療を行うことで腰痛は改善されます。
それ以外の場合、治療法は薬物療法や非薬物療法(ストレッチ、温熱、ストレス除去、手術など)などがあげられます。
今回は一般的な薬物療法についてご紹介します。
非ステロイド性抗炎症薬

一般的な「痛み止め」と呼ばれるもので内服薬、貼付薬、塗り薬、坐薬、注射薬などの剤形があります。
(ロキソニン®錠、セレコックス®錠、ボルタレン®錠他、リリカ®カプセル、セルタッチ®パップ、ミルタックス®パップ、
 ジクロフェナクNa®テープ、モーラス®テープL、フェルナビオン®パップ、スミル®スチック、ボルタレン®坐薬、
 ヤスラミン®注、など)

オピオイド

非ステロイド性抗炎症薬が効かない痛みに使われ、内服薬、注射薬、貼付薬、坐薬があります。
(トラムセット®配合錠、デュロテップ®MTパッチなど)

筋弛緩薬

痛みで筋肉が緊張している場合に緊張を和らげて血流を改善します。
(チザネリン®錠、ミオナール®錠など)

抗てんかん薬

神経が傷つけられた痛みに対して神経の興奮を抑え痛みを和らげます。
(テグレトール®錠など)

抗うつ薬

痛みが伝わる神経伝達物質を妨げます。
(トレドミン®錠など)

さらに痛みの強い場合には神経ブロック療法が行われます。
神経ブロック療法にはいくつかの方法があり、障害されている神経の近くに局所麻酔薬やステロイド薬を注射し、痛みの刺激を遮断したり、その部位の炎症を鎮めたりします。

これらの療法や薬を、原因や症状に合わせて医師の指示により組み合わせていきます。


 今回は腰痛の薬物療法について一部をご紹介しましたが、一口に腰痛と言っても薬を使った治療法だけでもこれだけの種類があることがおわかりいただけると思います。

 主治医とご相談の上、みなさま一人一人にあった治療法がみつかり生活が改善するといいですね。
お薬のことでご不明な点がありましたら医師、看護師、薬剤師にご相談ください。

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