血液の色が黒いけど大丈夫?

検査のお話

検査室では入院および外来の患者さまの採血をさせていただいています。
先日、採血をしているときに「血液の色が黒っぽいけど大丈夫?」と
聞いてこられた方がいらっしゃいました。
お話を聞いてみると、「想像していた色よりも黒かったので」と仰っていました。


では、なぜ採血で取った血の色は黒っぽいのでしょう?

血液の中には赤血球という細胞成分があります。
赤血球の中にはヘモグロビンという色素があり、酸素と結合すると赤い色になります。
ヘモグロビンは鉄を含んでいるので「鉄がさびる」、つまり酸素と結合すると赤くなるのと同じです。
血液が流れる血管は動脈と静脈の2種類があり、動脈の血液は酸素を多く含んだヘモグロビンが存在するので鮮やかな紅い色をしています。
それに対して静脈の血液は老廃物や二酸化炭素を多く含んでいるので暗い赤色をしています。

採血室ではこの静脈の血を採血していますので、採血した血液の色が黒っぽく見えるのだと思います。
想像していた色よりも黒いからといって「不健康」だとか「ドロドロ血」とは関係がありません。
以前、「私、腹黒いから血が黒いのかな?」と仰っていた方がいましたが、もちろん関係ありません(笑)。

金町中央病院の検査室では一般的なスクリーニング検査といわれる検査項目は院内で行っており、医師からの至急検査の依頼があった場合には30分以内での結果報告を心がけています。

採血当日に検査結果をお知りになりたい場合には担当医までご相談ください。


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