あなたの骨は大丈夫? 〜寝たきりにならないために〜

お薬の話

超高齢社会と言われる日本。日本の寝たきり人口は現在170万人に達しており、2025年には230万人になると推測されています。
寝たきりになる原因のトップは脳血管障害、次に高齢による衰弱、そして骨折が続きます。
その骨折の要因で最も多いのが転倒と骨粗しょう症です。 今回は、この骨粗しょう症についてとりあげてみたいと思います。

骨粗しょう症とはどんな病気?
骨粗しょう症とは、骨の量が減って骨に「す」が入ったようにスカスカになり、骨がもろくなる病気のことを言います。そのため、通常なら骨折しないような弱い力が加わっただけでも、骨が簡単に折れてしまうのです。現在、日本には1000万人の患者がいるといわれています。
骨粗しょう症は、骨密度の測定や胸・腰椎のレントゲン、血液検査などで診断されます。
骨は破壊と再生を繰り返し、絶えず新しいものへと作り変えられています。老化やさまざまな原因で、そのバランスが崩れると、破壊が再生を上回り骨がどんどん弱くなってしまいます。このような仕組みで骨粗しょう症は起こるのです。

骨粗しょう症を予防するには?
自分に合った適度な運動の継続(ウォーキング・散歩・エレベーターの代わりに階段を利用してみましょう)
カルシウムの摂取(1日800㎎が目標!日本人の平均摂取量は530㎎なので、毎日の食事であと200㎎を意識的に取り入れたいですね)
適度な日光浴(ビタミンDが作られ、カルシウムの吸収を高めます)


予防することは大切ですが、やりすぎや摂りすぎは逆効果になることもありますので、注意しましょう。
骨粗しょう症の薬はどんなものがあるの?
分類 特徴 主なお薬
ビスホスホネート製剤 骨の破壊を強く抑え、骨量を増加させる *ボナロン錠®
*ボノテオ錠®
エストロゲン製剤 閉経による女性ホルモンの減少が原因の骨粗しょう症に有効 *エストラーナテープ®
選択的エストロゲン
調節薬(SERM)
女性ホルモンと似た作用があり骨量を増加させるが、骨以外の臓器には影響がない *ビビアント錠®
活性型ビタミンD製剤 カルシウムの腸管からの吸収を増す働きがある *カルフィーナ錠®
*エディロールカプセル®
*ロカルトロールカプセル®
カルシウム製剤 食事からのカルシウム補給が十分でない場合 *L-アスパラギン酸Ca錠®
カルシトニン製剤 注射薬のみなので、週1〜2回の通院が必要だが、痛みに対する効果がある *オステトニン注®
ビタミンK製剤 骨の再生を促進し、骨折の予防も期待できる *グラケーカプセル®
イプリフラボン 骨量を増やす作用があるといわれており、作用はおだやか オステン錠®
骨形成促進薬(PTH) 骨の再生を強力に促進する *テリボン注®
(*は当院採用薬)
転倒を未然に防ぎましょう
・サンダルなどつまずきやすい靴をはかない            
・すその長い服に注意
・階段に手すりをつける
・できるだけ段差をなくす
・床にものを置かないようにして、家の中を片づける
寝たきりにならないよう、日頃から骨の健康を保ち、転倒を防いで、骨折から身を守りましょう。

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