ドロドロ血って?

検査のお話

 最近、テレビ、ラジオ、新聞や雑誌などでよく耳にする言葉に「ドロドロ血」と言うものがあります。
ドロドロ血って一体どのような血のことなのでしょう?

 私たちの体の中に張り巡らされた血管の長さは約10万Km、
地球を2周半もする距離になります。
血液の量は体重の13分の1程度あるといわれており、
52Kgの人なら4リットルもの血液が 流れていることになります。
そして心臓は1日に約8000リットルもの血液を送り出しているので、
血液は1日に体内を 約2000周していることになります。

このように大量の血液が体内を駆け巡っているわけですから血液がドロドロしていると
いろいろな所に負荷がかかったり、 障害がでてくるわけです。

ではドロドロ血の正体は何でしょうか?

それは「高脂血症」(現在では脂質異常症と言われています)と言われる状態のことを言います。
脂質異常症とは中性脂肪や悪玉コレステロールの多い状態のことで、血液が粘り気を持ち、流れにくくなります。

また、血管内の壁に付着して血管を細くし、血液の流れを妨害する「動脈硬化」という状態を引き起こします。
この「動脈硬化」は、脳梗塞や心筋梗塞などの生活習慣病と呼ばれる様々な病気や、 致命的な病気を引き起こす可能性を秘めています。

肉類中心の食生活になってきたことによって、摂取する動物性脂肪の量が激増し、30〜40代でも5人に1人がドロドロ血だと言われています。
50代になると約60%とも言われています。

しかし、このドロドロ血、つまり脂質異常症は、自覚症状がないために気づきにくいのです。
症状が進んでから気づいても手遅れです。血液検査の数値でわかるので、検査は定期的に受けるようにして下さい。
コレステロール値が高いと動脈硬化、糖尿病などの疑いがあり、逆に低いと肝硬変などの可能性があります。
中性脂肪の値が高い場合は、肥満や糖尿病、アルコール性肝障害などの疑いがあります。ドロドロ血の予防や対策のポイントは、「食事」と「運動」です。食事でコレステロールや中性脂肪の摂取量を減らし、 ついてしまった脂肪は運動することで燃焼させましょう。
そのほかにも、規則正しく十分な睡眠を取ること、ストレスを溜め込まないことも大切です。

食事と運動、十分な休養がドロドロ血を解消し、健康を維持するポイントです。
ドロドロ血をサラサラ血に変えることは、生活習慣病すべてを予防することになります。

生活習慣をきちんと整えて、ドロドロ血をサラサラ血に変えていきましょう。

  金町中央病院検査科では、中性脂肪、総コレステロール、HDLコレステロール、LDLコレステロールなどの脂質異常の検査を行っています。検査結果は至急検査の依頼がある場合には30〜40分程度で結果報告いたします。
当日に検査結果をお知りになりたい場合には担当医にご相談ください。

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