動脈硬化・プラーク ~エコー検査で見る動脈硬化~

検査のお話

今年度の「葛飾区特定・長寿健康診査」が終了いたしました。この健診はメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)や動脈硬化に着目した健康診査になっています。当院ではそれに加えて独自に動脈硬化の検査をお勧めさせていただいております。

健康診査の結果で精密検査が必要と判断されると超音波検査を行うことがあります。 この検査は超音波装置を使用して首の血管「頸動脈」を映し出し、血管壁の厚さや血管の内側の状態を確認します。

頸動脈は、多くの酸素と栄養素を必要とする脳に血液を送る大切な血管です。大動脈から分かれた頸動脈は首の部分で二つに分かれ、脳に血液を送る血管と、顔に血液を送る血管になります。この血管の分かれ目は「分岐部」と呼ばれ、動脈硬化リスクの高い部位になります。超音波検査ではこの分岐部を中心に観察します。

動脈硬化が進むと血管壁が厚くなり、壁にへばりついたコレステロールなどの成分(プラーク)が見えることがあります。
また、動脈硬化が進行すると、このプラークで血管内が狭くなり、血液の流れが悪くなったり、血管が詰まってしまうことがあります。さらに血管壁にこびりついたプラークがはがれると脳梗塞を起こす恐れがあります。

検査ではこれらの状態がないか、血管の厚さやプラークの有無、形状、質感などを観察します。また、血流の速度を測って脳の血管に狭いところがないか、詰まっているところがないかなどを推測します。

動脈硬化を引き起こしやすい原因には、年齢、性別(男性)、高血圧、脂質異常症、糖尿病、睡眠時無呼吸症候群、肥満、たばこ、ストレスなど数多くあると言われています。

なかでも、高血圧、脂質異常症、たばこは特に大きな3大危険因子とされ、こうした危険因子を多く持つ人ほど、動脈硬化が加速度的に速まることがわかっています。

検査自体は10-20分程度で行うことができ、放射線などの被ばくもなく比較的安全な検査になります。 高血圧、脂質異常症、たばこ、これらのリスクをお持ちの方は是非検査をしていただき、生活習慣を見直すきっかけにしてはいかがでしょう。

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