尿検査(2)

検査のお話

尿でできる検査
尿検査と言えばみなさん健診などで何度がされていると思います。
項目としてはタンパク、潜血、糖をはじめ、他にウロビリノゲン、ケトン体、ビリルビン、アスコルビン酸、亜硝酸塩、pH、比重などがあり、ご覧になった方もいらっしゃると思います。
前回は代表的な検査項目をご紹介しましたが、今回は上記の「尿一般検査」の他に、尿を使ってできる検査の一部をご紹介したいと思います。

◆尿沈査

尿を遠心分離器にかけて、沈殿したものを顕微鏡で確認する検査です。
本来尿中には固形物はほとんどありませんが、例えば膀胱炎になると白血球や細菌が多く見られ、尿路結石などでは赤血球が見られたりします。


◆妊娠反応検査

受精卵が着床して胎盤ができてくると、胎盤から「絨毛性ゴナドトロピン」というホルモンが分泌されます。これらは尿中にも排泄されるので、それを検出する検査です。


◆微量アルブミン検査

糖尿病が進行して糖尿病性腎症になると、尿中にアルブミンというタンパク質が出てきます。
しかし初期の段階では微量しか出ないため、試験紙などによる通常の尿検査では判別できません。
そのため微量のアルブミンを調べることにより、糖尿病性腎症を初期段階でみつけることができます。

◆肺炎球菌検査


肺炎球菌による肺炎などでは、菌が体内で分解されて尿中に排泄されるので、それを検出する検査です。


◆レジオネラ抗原検査

温泉や空調を介し、間質性肺炎をひき起こす原因になるレジオネラ菌を検出する検査です。


◆STD:性感染症検査(クラミジア、りん菌、カンジダなど)


感染により出現したそれぞれの抗原を検出する検査です。




上記にあげた検査は一部ですが、色々な検査ができることがわかると思います。
検査方法は様々で、数分で結果が出るものもあれば、数日かかるものもあります。
血液検査に比べればまだまだできる項目は少ないですが、尿は採血と違って痛みを伴わずに採取できるものなので、今後もっと増えるといいですね。

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