点鼻薬

お薬の話

点鼻薬というと、花粉症の時に使用するものをイメージする人が多いのではないでしょうか?
  実は、花粉症以外にも様々な使われ方をする点鼻薬があります。
  今回は、その点鼻薬の種類や使い方についてまとめてみたいと思います。
1 点鼻薬の種類
点鼻薬は飲み薬と比べると、鼻の粘膜から直接すみやかに吸収されるため、効き目が早く出るという特徴があります。その特徴を活かし
た点鼻薬には以下のようなものがあります。
①鼻の炎症を抑える薬
種 類 作    用 商 品 名
抗アレルギー薬 アレルギーの原因物質の一つ『ヒスタミン』を出さない、もしくは、それをブロックしたりすることで、アレルギー症状を抑える。 インタール点鼻薬®
ノスラン点鼻薬® (インタール点鼻のジェネリック)※
ザジテン点鼻薬®
ステロイド薬 局所(ここでは鼻)のみに作用し、炎症を抑える。体内への吸収はほとんどなく、吸収されても速やかに代謝され効果のなくなるタイプが多い。 フルナーゼ点鼻薬®  ※
アルデシンAQネーザル®
オルガドロン点眼点鼻点耳液®
血管収縮薬

鼻粘膜の血管の収縮により、腫れを抑え鼻づまりを改善する。上記二つに比べ効果が速やかで強力なため、長期・過剰に使用してしまうこともあるので、薬の反応性の低下、血圧の上昇等に注意。

コールタイジン点鼻液® ※
トーク®  
最近では、市販薬でも上記の成分が含まれているものがあります。副作用等に注意して使用してください。
※当院採用薬
②ホルモン剤
種 類 作    用 商 品 名
子宮内膜症・
子宮筋腫治療薬
女性ホルモンによって進行する症状に対して女性ホルモンを出にくくするするお薬。 スプレキュア® 
ナサニール®
③片頭痛治療薬
種 類 作    用 商 品 名
片頭痛治療薬 片頭痛の発作時に拡張しすぎた脳の血管を収縮させて元に戻して、頭痛を抑える作用がある。 イミグラン点鼻薬®※
2 点鼻薬の使い方
使用方法については、原則としてお薬ごとの説明書に沿って使いましょう。
また、医師や薬剤師から説明があった場合は、それに従って下さい。

ここでは一般的な点鼻薬の使い方をお伝えします。
鼻をかみます。
キャップをはずし、たての方向に振ります。(振ってはいけないタイプもあります。)
頭をうつむき加減にし、片方の鼻の穴をふさぎ、もう一方の鼻の穴に容器の先を立てて入れ、息を軽く吸いながら噴霧します。もう一方の鼻にも同じようにして下さい。
薬を鼻に入れた後は、薬を鼻の奥まで行きわたらせるために、数秒間上を向いて、鼻からゆっくり呼吸をしましょう。
使用後は容器の先端をきれいなガーゼなどで拭き取り、必ずキャップをしましょう。
3 注意点
初めて開封し使用する際は、薬剤が安定して噴霧できるまで空噴霧(予備噴霧)が必要です。製品により空噴霧(予備噴霧)の回数が異なるので注意しましょう。
容器の中の薬剤は懸濁液(薬剤が溶液に分散しており、時間がたつと沈殿する液)のものが多いため、使用時は毎回振ってください。
鼻腔内は微生物の大変多いところなので、差し込んだノズル部分はしっかりと拭き、清潔を保ちましょう。
ステロイド薬の場合、のどに薬液が流れると副作用が表れる事もあるので、使用後はうがいをしましょう。
以上、簡単にまとめてみました。様々なタイプの点鼻薬があり、使用方法も様々ですが、そのお薬を有効に使うために参考にしてもらえればと思います。

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