肺炎予防のために 〜肺炎球菌ワクチン〜

お薬の話

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肺炎予防のための新制度スタート
肺炎
肺炎は日本人の死因の第3位。65歳以上の方にとって、軽視できない疾患です。
肺炎は細菌やウイルスなどが、からだに入り込んで起こる肺の炎症で、症状としては、発熱、咳や痰、息苦しさ、胸の痛みなどがあります。風邪やインフルエンザなどが原因でかかることもありますが、からだの抵抗力が弱まったときなどに感染を起こしやすく、普段、元気に暮らしている方でも持病の悪化や体調不良などをきっかけに、感染する可能性のある病気です。

また、唾液や飲み物、食べ物などが気管に入ってしまう誤嚥(ごえん)による肺炎もあります。これは、唾液に含まれる細菌が肺炎を引き起こしてしまうためです。 原因となる細菌やウイルスは人のからだや日常生活の場に存在しており、その原因菌にはインフルエンザ菌、マイコプラズマなどがありますが、最も多いのは『肺炎球菌』です。肺炎球菌など肺炎の原因菌は、季節を問わず存在しており、時期に関係なくかかる可能性のある病気なのです。

肺炎球菌ワクチンは、『肺炎球菌』が原因でおこる肺炎を予防するもので、当院ではニューモバックスRNPを採用しています。
〜よくある質問について〜
・肺炎球菌ワクチンの副作用は?
主な副作用は、注射部位の疼痛、発赤、腫脹です。重大な副作用として、アナフィラキシー様症状、血小板減少、ギラン・バレー症候群などがあります。接種後、気になる症状が現れた場合は、ご連絡ください。
・他のワクチンとの接種間隔は?
肺炎球菌ワクチンは不活化ワクチンで、他の不活化ワクチン(インフルエンザ、日本脳炎、B型肝炎など)とは6日以上、生ワクチン(ポリオ、麻しん、風しん、水痘、おたふくかぜなど)とは27日以上間隔をあけて接種します。医師が必要と認めた場合は同時接種も可能です。同時接種については、主治医にご相談ください。
・再接種はできますか?
日本では、2009年に厚生労働省が再接種を許可し、2回目以降の接種が可能になりました。ただし5年以内に再接種を行うと注射部位の疼痛など副作用が強くでることがありますので5年以上の間隔を空けてください。再接種については主治医にご相談ください。
*接種後、「予防接種手帳」と「23価肺炎球菌ワクチン接種済カード」をお渡ししています。お薬手帳に挟むなどしてなくさないようにしましょう。
・対象年齢に決まりはありますか?
65歳以上でないと接種できないということではありません。2歳以上で、基礎疾患(慢性心不全、慢性呼吸器疾患、糖尿病、腎不全など)を持ち、肺炎のリスクの高い方には接種がすすめられています。 定期接種でない場合、予防接種は健康保険の対象外になります。詳しくは医療機関にご確認ください。(脾臓を摘出された方には健康保険が適用されます)
最後に、肺炎を予防するために、毎日できることとして、うがい、手洗い、マスクの着用などがあります。日頃から持病の治療につとめたり、禁煙をしたり、からだの抵抗力(免疫力)を高めたりするようなことも有効とされています。そのほか、慌てて食べ物を食べたり飲んだりしないことや、口の中を清潔に保つことなども大切です。
(MSD(株)ホームページより一部引用)

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