錠剤が苦手な方は・・・

お薬の話

 簡易懸濁法という言葉を聞いたことがありますか?

簡単に言うとお薬を錠剤やカプセル剤のままお湯に溶かして服用する方法のことを言います。
もともとは飲みこむ力の弱くなった高齢者や胃瘻(食べる機能の落ちた方が胃に直接栄養を送る方法)の造られている方にお薬を服用して頂くために考えられた方法です。
医療現場ではこの簡易懸濁法が広まり多くの施設で利用されてきています。
この方法を使って「大きな錠剤はのどにひっかかる」とか「錠剤は飲めない」と今までは苦い粉薬に変更されていた方も錠剤を選択するチャンスが広がるかもしれません。

< 方法 >
下図のようなカップに55℃のお湯を準備して頂き、錠剤やカプセル剤をそのまま入れてかきまぜ約10分放置します。(この間に薬剤が溶け、温湯が体温に近い温度まで下がります)
溶けているのが確認できたら服用します。
薬の服用後必ず水を飲む。(喉や食道に薬が残っていると粘膜が傷んだりすることがあります。)
 
 


☆ 55℃のお湯の作り方 ① ☆
  蛇口を一番熱いお湯が出るところまでひねる。
 (ご家庭によっては熱湯がでる場合がありますので、気をつけて下さい!!)
 (次に使う方のことも考えて、温度を戻すことを忘れずに!!)
 
☆ 55℃のお湯の作り方 ② ☆
  湯沸かしポットのお湯:水が、約2:1になるように入れる。
目安は少し触って熱いくらいの温度です。
厳密に55℃である必要はなく、お薬が溶ければ問題ありません。
温度が高すぎると、薬の安定性が損なわれる場合もありますので注意してください。

注意点
・この方法が向いていない薬があります。(徐放性製剤など)
・水でしか溶解できない薬があります。
・溶かす前に錠剤に割れ目を入れなくては溶けない薬があります。
・薬の組み合わせによっては一緒に溶かすと溶けなくなることがあります。

*以上のような注意点もありますので、薬をもらっている病院や薬局でお問い合わせください。


 

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