検査と食事

検査のお話


  金町中央病院のある葛飾区では6月〜11月末日まで国民健康保険加入者の
無料健康診査が行われています。

検査科では今年もたくさんの方の検査をさせていただいていますが、
その時に良く聞かれる質問が「食事すると検査結果が悪くなるの?
食事は何時間くらい空ければいいの?」という内容のものでした。

健康診断の時には「空腹時」での検査が望ましいとされています。
では、食事後何時間経てば「空腹時」になるのでしょう?

血液検査の値は、病気の有無や種類、病気の程度のほかに、食事や運動、体位、服薬など様々な要因によって影響を受けるとされます。
そこで、検査値を解釈する上でそれらの影響をなるべく無くすように、多くの検査については早朝、空腹、安静の状態で検査するのが良いとされています。

食事の影響を受ける検査項目として代表的なものは血糖や中性脂肪です。

血糖や中性脂肪は食事をすることで食物が消化され、腸から栄養分が吸収されますので、一時的に血中濃度が上がると言われています。
食事によって血中濃度が上がると、空腹時と同じ状態に戻るまでに時間がかかります。
健常者であれば、血糖値は食後2時間で空腹時と同じくらいに戻りますが、中性脂肪は10時間以上かかると言われています。

健康診断などで「空腹時」の血液検査を行う場合、4〜5時間以上の絶食が望ましいとされています。また、糖尿病の診断で糖負荷試験を行う場合や高脂血症の診断のための脂質測定における「早朝空腹時」とは、前日から実施までの空腹時間は10〜14時間となっています。 

健康診断などでは血糖検査のほかに脂質系の検査も行うことが多いので、朝9時に採血するならば、夜9時以降の食事は控えた方が良さそうです。

ただし、水やお茶などの水分補給は熱中症の予防などの事もありますので無理に控えたりせずにこまめに摂取して下さい。


毎年の健康チェックを確実なものにするためにも、検査前日〜当日の過ごし方にも気を配りたいものですね。




関連記事

「検査のお話」の記事一覧