被曝と被爆

放射線のお話

この『被曝』と『被爆』の2つの言葉、違いが分かりますでしょうか。
よく似た言葉で、読み方も全く同じ『ひばく』なのですが意味は違います。
それぞれの意味は以下の通りです。

被曝・・・・・放射線にさらされる(曝される)ことを指します。
原子力発電所関連の報道で用いられるのはこちらの『被曝』です。
病院や診療所など医療機関での放射線検査も、こちらの『被曝』が使われます。『被爆』とは異なり実害がなくとも放射線を浴びれば『被曝』となります。
また、『曝』は常用漢字ではないので『被ばく』と書かれることも多いです。

被爆・・・・・広義では爆撃など爆発物による被害全般のことを指しますが、一般的には原子爆弾、水素爆弾によって被害を受けることを言います。
原爆は放射能や放射線も出ますが、基本的には爆弾であり光線、熱線、爆風の影響を受けるため『被爆』が使われます。

また、放射線を浴びる『被曝』も、『外部被曝』と『内部被曝』とに分類されます。

外部被曝・・・体外にある放射性物質や、放射線発生装置などの放射線源から出た放射線を浴びること。
基本的には、放射線が通過してしまえばそれ以上被曝することはありません。レントゲンやCTなどの検査、および外部照射による放射線治療はこれにあたります。

内部被曝・・・呼吸や飲食、注射などによって体内に取り込まれた放射性物質から出た放射線を浴びること。
体内に放射性物質がある間は被曝をし続けます。代謝や排泄による放射性物質の減少、物質自体の放射線量の減少によって、被曝量は減っていきます。核医学検査、内部照射による放射線治療(小線源を目的部位に埋め込む)はこれにあたります。

被爆のイメージ画像

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