栄養科コラム
皆さんは「冬型栄養失調」という言葉を耳にしたことがありますか?どうにもならない乾燥肌、口内炎、冬太り、冬バテなどは、もしかすると冬型栄養失調が原因かもしれません。
冬に身体を温めようと、たくさん栄養を必要としたために起きる栄養失調の事を言います。
人の身体は冬の寒さに対抗するために、多くのエネルギーを消費します。この消費量は夏と比較した場合、10%増しとも言われており、普段通りの食事をしていても、栄養不足状態に陥ってしまう恐れがあるのです。
もしダイエットの為にカロリー制限をしているというのであれば、尚更気をつけておいたほうがいいかもしれません。中でも、ビタミンB・ビタミンC・鉄分などは特に不足しがち。積極的に摂るように心がけていきましょう。
人は、寒さを感じると、体内では熱を作り出すために交感神経を働かせ、ビタミンB₁やB₆を消費します。また、エネルギーを作り出す糖・たんぱく質・脂質の代謝にも関与している為、冬場はビタミンB群の消費量が増える傾向にあるのです。
ビタミンB群を多く含む豚肉・豚レバー・牛レバー・うなぎ・マグロ・サバ・アサリなどを積極的に摂りましょう。鍋料理にするとたくさん食べられるのでおすすめです。
この他、納豆やきなこなどの大豆製品・ニンニク・焼き海苔などにも多く含まれています。
ビタミンCもまた、エネルギーを作り出すのに欠かせないビタミンです。
神経伝達物質の一つであるノルアドレナリンの合成に関与しており、抗酸化作用や体内に入った異物を解毒する作用があるため、冬は特に意識して摂りたい栄養素です。
主に、果物や野菜類に多く含まれているため、みかん・キウイフルーツ・イチゴなど冬が旬の果物を朝食や昼食に摂りいれてみましょう。
女性が陥りがちな鉄分不足、冬場は特にその傾向が強いため注意が必要です。鉄の吸収はビタミンCが関与しているので、ビタミンCが不足してしまうと、鉄の吸収もおのずと低下してしまいます。
鉄とビタミンCはセットで考え、不足しないように気をつけておきましょう。
鉄を補う食材としては、豚や鶏のレバー・はまぐり・卵黄などがおすすめです。また、ココアや抹茶も◎。ココアはストレスや疲労解消にも向いているので、忙しい時にはココアで一息いれてみましょう。
カサカサで、かゆくなるような乾燥・寝ても取れない疲れ。なかなか落ちない正月太りの体重……。
こういった症状があるのであれば、冬型栄養失調の可能性大です。ご紹介した食材を取り入れて、上手に対策してみて下さい。