子宮頸がん予防ワクチン

お薬の話

子宮がんには子宮の奥で発生する「子宮体がん」と子宮の入り口で発生する「子宮頸がん」の2種類があって、原因や主な発症年齢などが異なっていることをご存じですか?
子宮頸がんと子宮体がん
 
 子宮頸がんは、女性特有のがんとしては乳がんに次いで罹患率が高く、特に20〜30代のがんでは第1位となっています。日本では、毎年約10,000人の女性が新たに子宮頸がんにかかり、約3,500人が子宮頸がんで亡くなっているのです。(国立ガンセンターがん対策情報センター 部位別がん罹患数2004年より)
子宮頸がんはヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染が原因で起こります。つまり、子宮頸がんは、ワクチンの接種によってウイルスの感染から体を守ることで予防できるのです。
100種類以上の型があるHPVの中でも、「16型」、「18型」が子宮頸がんの原因の65%を占めています。また、「6型」、「11型」は子宮頸がん以外の病気『尖圭コンジローマ』の発症に関係しています。
子宮頸がん予防ワクチンは2種類あります。
子宮頸がんワクチンA 子宮頸がんワクチンB
 
 当院では、4つの型に対して予防できるワクチンB;ガーダシル®の接種を行っています。
接種のための負担金を補助する制度を設けているところもありますので、各自治体にご確認ください。
 
次に、接種スケジュールと副反応についてお話します。
◆ガーダシル®の接種スケジュール
ガーダシル®は初回接種(1回目)、2か月後(2回目)、6か月後(3回目)と3回接種します。
3回接種することで十分な効果が得られるため、3回目まできちんと接種してください。

注1) 十分な予防効果を得るため、必ず同じ種類のワクチンを3回接種することが必要です。1回目以降、2、3回目で別のワクチンを接種した場合の予防効果は確認されていません。
注2) ガーダシル®接種後に他の生ワクチンおよび不活化ワクチンを接種する場合は、6日以上間隔をあけてください。また、他の生ワクチンの接種を受けてから27日以上、他の不活化ワクチンの接種から6日以上間隔をあけてガーダシル®を接種してください。


◆ガーダシル®接種による主な副反応
頻度10%以上
  注射部位の痛み、赤み、腫れ
頻度1〜10%未満
  発熱、注射部位のかゆみ・出血・不快感、頭痛
頻度1%未満
  注射部位のしこり、手足の痛み、筋肉が硬くなる、下痢、腹痛、白血球増加
頻度不明
  無気力、寒気、疲労、倦怠感、血腫、失神、浮動性めまい、関節痛、筋肉痛、嘔吐、悪心、リンパ節症、蜂巣炎
また、重い副反応としてまれに、アナフィラキシー反応などの過敏症反応、ギラン・バレー症候群などが現れることがあります。接種後、体調の変化があった場合は、医師または看護師、薬剤師にご相談ください。
注)接種後に、めまいやふらつき、失神などが起こることが報告されています。接種後は、すぐに帰宅せずに30分程度、接種した医療機関で安静にしましょう。
子宮頸がんはワクチンの接種によって予防することができます。しかし、100%予防できるわけではないので、早期発見のためにワクチン接種とあわせて定期的な子宮頸がん検診も重要です。
                            (MSD(株)ホームページより一部引用)
その他、ご不明なことなどございましたら、お気軽にお問合せください。

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