食品の「低カロリー」表示~80キロカロリーの献立

栄養科コラム

 最近、メタボリックシンドロームの予防や摂取エネルギー量を気にする方が増えているためか市販されている商品に「カロリー控えめ」「低○○商品」「ライト」などの表示が増えています。
実は、「カロリーハーフ」といった食品表示をするときは何と比べて「ハーフ」なのかをはっきり示したうえでエネルギー、脂質などの栄養成分を表示するように消費者庁から2010年5月より食品メーカーへ通知されています。
基準としては「控えめ」「低」「ライト」などは食品100g当たりのエネルギー量は40Kcal以下で、液状食品は100ml当たり20Kcal以下とされています。
では「0Kcal」は本当にカロリーが「0(ゼロ)」なのでしょうか。
「0Kcal」にも基準があり「ゼロ」表示は食品で100g当たりエネルギー5Kcal未満であれば「ゼロ」と表示ができるのです。なので「0Kcal」だからといってたくさん食べたり飲んだりすれば「ゼロ」ではないことになります。
 「砂糖不使用」という表示もご覧になったことがあると思います。
すべてではありませんが「砂糖」以外の「糖」が使用されている場合があります。
例えば「果糖ブドウ糖液糖」という「糖」がソフトドリンクなどで表示されているのを見たことがありますか?「果糖ブドウ糖液糖」の原料はとうもろこしでんぷん(コーンスターチ)を酵素的に処理してブドウ糖にした後、別の酵素により果糖にしたもの(異性化)で工業的に作られています。果糖が含有量の多い場合は「果糖ブドウ糖液糖」といいブドウ糖が多い場合を「ブドウ糖果糖液糖」と表示されます。また、その精製行程から「異性化糖」とも表示されているかも知れません。
以上のように「砂糖」=「果糖ブドウ糖」ではないので「砂糖不使用」と表示できますが「砂糖」は体内で消化されれば「果糖」と「ブドウ糖」に分解されるので「不使用」という表示が適切であるかは疑問というところです。
また「果糖」は「ブドウ糖」より脂肪になりやすい糖です。それは「太りやすい糖」ともいえます。
さまざまな表示に惑わされることなく「1日でどの位のエネルギーを摂取したか」「バランスはどうか」を確認しながら「食欲の秋」とつきあっていければいいですね。
今月の一品
さつま芋の炊き合わせ
  さつまいも 60g
  にんじん  5g
  しめじ  5g
  絹さや  3g
  薄口しょうゆ  3g
  みりん  2g
   1g
  だし 0.3g
                  
 「食欲の秋」カロリーオーバーが気になる季節ですね。
以前は太るという理由で敬遠されがちだった「さつまいも」が
現在では食物繊維が豊富という理由から健康食物としての評価が
たかくなっています。当院が発行している「ささえあい」にも
「さつまいも」の話を載せています。ご参考にしてください。

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