「和食」を見直してみましょう

栄養科コラム

「和食」は日本人の伝統的な食文化として、健康的で栄養バランスが良いとの評価を受けユネスコの無形文化遺産に登録されました。
※無形文化遺産とは人々の慣習・描写・表現・知識及び技術、並びにそれらに関連する器具、物品、加工品及び文化的空間のことです。
選ばれた理由には
 ①新鮮な食材と調理方法
 ②優れた栄養バランス
 ③年中行事との関わり
 ④盛り付けの美しさや季節ごとの表現方法
などがあげられたそうです。
「和食」の特徴は低カロリー、低脂肪であり、植物性食品や魚介類、納豆などの発酵食品、海草、緑茶の摂取が多いことがあげられています。
しかし、最近の日本人の食生活は欧米化が進み、乳製品・肉類が豊富で野菜類などが少ない傾向にあります。国民栄養調査では1975年度と比べて1990年は体重増加量が多く、消費エネルギー量は少ないという結果が出ています。
また、2000年以降は炭水化物が少なく、肉類、油脂類が多い傾向になり魚介類の摂取割合が少ない傾向になっているようです。これは単身者が増えていることも原因の1つと言われています。
年代別に最も理想的な「和食」料理を食べていたのは1975年頃であることが研究チームによって明らかにされています。理由としては、食品の流通も進み多様な食材を取り扱うようになったこと、日本の伝統的な食材に加えて野菜や果物も季節を問わず手に入るようになったこと、卵、豆類などもよく利用されていたなどがあげられています。また、その時代は海藻類なども積極的に食べられていたようで食物繊維が豊富にとられていました。
そのような食生活を続けていると、内臓脂肪が蓄積しにくく、脂肪肝の発症リスクも抑制され、血中コレステロール含有量も低いことがわかっています。
肝臓での脂肪分解が活発に行われていることで学習記憶能の維持にも有効で、がんの発生率も低いというデータが出ています。
現代は飽食時代になり、私たち日本人は好きなものを好きなときに簡単に手に入れることができます。食事形態もさまざま選ぶことができ本来の「和食」中心な食生活を失ってしまっている可能性があります。
食習慣や生活習慣を見直すことは、生活習慣病を予防することにもつながります。健康長寿のためには食事の欧米化をやめて、伝統的な「和食」にしてみてはいかがでしょうか。

「和食」の価値、良さを見直して明日からの食事を見直してみませんか。

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